古典占星術を学ぼう!①惑星の査定

自分の人生を振り返ってみて、占星術をある程度わかっているつもりなのに、全然惑星使えてないなぁ…と思ったことはありませんか?

私はそうで、56歳にもなって今だに月と金星、水星、火星の一部(意図せず感情的な部分がほとばしる時ぐらい)しか活かせていないと感じていました。
これって、人生の苦難をできるだけ避け続け、嫌なところからは逃げてきた結果こうなったのかな、と思っていたのですが、実はそもそもが「効かせづらい」惑星だったのだとしたら?

現代占星術と古典占星術の違い

現代の占星術は、ホロスコープは自分の心の地図のようなもので、すべての惑星を活かせば自分らしい生き方ができるんだよ、自分次第だよ!と激励してくれているものだと思います。

一方、古典的な占星術は、惑星を「自分の意思やポテンシャルを教えてくれているポイント」としてではなく、「自分を取り囲む環境や人」として読み進めます。

言い換えれば「自分軸」ではなく「他人軸」でホロスコープを見て、客観的にこれから起こること、起こってきたことを見る、という感じです。

自分の心の中なら何とか自力で解決できそうだけど、他人や環境が原因だとしたら、自分だけの力では一筋縄では行かなそうですね。
でもそんな環境の中でも、自分を助けてくれそうな人はどこにいるか、といった、これまでとは別の視点で、ホロスコープを見直すことができるんです。

全く同じホロスコープなのに、視点を180度変えて眺めてみることで、視座が広がる…!

そういう奥深い面白さが、古典占星術にはあります。

古典占星術の基礎

とはいうものの、古典占星術は、とにかく手順が多い!

まずは一つひとつの惑星が、惑星そのものの力をどの程度のびのびと発揮できる場所に位置しているかなど、細かな査定をしてから、ようやく全体像を見ていきます。
その査定が非常に多岐に細かく分かれています。
なので、まずは割り切って、大きく意味を左右する査定部分のみを使って読み解いてみましょう。

まずは基礎から。

古典占星術を読む準備

①ハウスシステムはホールサインを使う

②使う天体は7惑星のみ(太陽、月、水星、金星、火星、木星、土星)

③アスペクトは、個別の天体の角度で見るのではなくサイン全体でつかむ
 例えば牡羊座0度と蟹座29度に惑星があったら、トラインではなくスクエア

④コンジャクションは③の例外
 15度以内であれば、サインをまたいでいてもコンジャクションとみなす

①ハウスシステムはホールサインを使う

ホールサインは、アセンダントやMCをサインの境界線とせず、アセンダントの入っているサインの0度を1ハウスカスプに設定し、サインごとにハウスを区切るハウスシステムです。

乙女座12度にアセンダントのある人なら、乙女座0度〜30度が1ハウス。
2ハウスは天秤座0度〜30度、10ハウスは双子座0度〜30度…といった具合。

私は古典的な占星術を学んで、初めてホールサインを使ってみましたが、プラシーダスその他のハウスサインのカスプの曖昧さがスッキリ解消されるのでとても気に入っています。

例えば5度前ルール。

私の獅子座アセンダント手前6度には火星(同じく獅子座のサイン)があるんですけど、これは1ハウスなのか12ハウスなのか?で迷ってしまいます。

アセンダントという感受点の影響の大きさを考えると、1ハウスにカウントして良さそうですが、5度前ルールには厳密に言えば反しています。
「どちらも読む」って方もいらっしゃると思いますが、いろんな要素を含むと意味はどんどん曖昧になっていき、全体像が掴みづらくなっちゃうな〜と感じていました。

ホールサインは、サインごとにきっちり区切られるので、ハウスをまたいでの5度前ルールの適用はありません。
つまり私の火星は、迷いなく1ハウスになります。

②使う天体は7惑星のみ(太陽、月、水星、金星、火星、木星、土星)

トランスサタニアン(天王星、海王星、冥王星)は使いません。

惑星の査定に使うディグニティ表には、トランスサタニアンは含まれていないからです。

使うなとは言いませんが、まずは古典占星術の雰囲気に触れるため、使わないでやってみましょう。

というか、1つ1つの惑星の査定(今回はかなり簡略化)自体が大変ですから、まずは抜きでやってみましょう。

③アスペクトは個別の天体の角度で見るのではなく、サイン全体で見る

えぇ?!と驚かれる方も多いと思いますが、古典ではそう見ます。

アスペクトで一番影響が強いのはコンジャクション。

「抱き合う」という表現があるくらいコンジャクションの影響は強く、他のアスペクトが入り込む余地がないくらい。
せいぜいこのコンジャクションに割り込めるのは、オーブ2度以内のかなりタイトなものとなります。

また、古典で重視されるのは「ステイク」と呼ばれる90度、180度のアスペクトです。
切磋琢磨や努力を要する緊張感ある角度ですが、それだけ表面化しやすいということ。

トライン(120度)やセクスタイル(60度)も、安定性、なめらかさ、容易さを示すアスペクトとして容認されます。

ただ30度と150度については、「アバーション」「アバース」と呼ばれ、アスペクトを持つとはみなされません。

④コンジャクションは③の例外

③で、アスペクトはサインの位置関係で見るとしましたが、コンジャクションだけは別です。

コンジャクションは、例えば乙女座28度と天秤座2度に天体があった場合、乙女座と天秤座にサインは分かれているものの、15度以内なのでコンジャクションとみなします。

ホールサインで、同じハウス(つまり同じサイン)にあることは、コンジャクションとは言わないまでも、互いに強く影響し合うことになります。

古典では、アスペクトのオーブはかなり広め。
それでも、タイトなアスペクトはそれだけ影響が強いとされます。

惑星の査定

古典占星術の惑星の影響力についての査定は、本当に多岐にわたるので、この1記事では到底語りきれません。

ですが、影響の大きいものをピックアップして、初めての方でも大まかなところを捉えられるよう、以下の4点に絞って書いていきたいと思います。

①セクトに入っている惑星を知る

「セクト」とは何ぞや?

いきなり知らない言葉が出てきましたね。

これは、昼の明るいうちに生まれた人と、夜の暗い時間帯に生まれた人とでは、いい働きをしてくれる惑星が違ってくる、ということです。

ホロスコープの地平線の上下どちらに太陽があるかでわかります。
地平線上(上半分)に太陽がある人は昼行性、
地平線下(下半分)に太陽がある人は夜行性と区分されます。

とはいえ、地平線すぐ下の辺りに太陽がある人は、まだ空が明るいうちと考えられるのであれば昼行性とみなします。
ホールサインで言えば、1ハウスの15度くらいまでなら許容範囲。
夕方の太陽(7ハウス側)も、同様に考えます。

自分が昼生まれか夜生まれかわかったら、以下の表で味方になってくれる惑星をチェックします。

昼行性 太陽、木星、土星
夜行性 月、金星、火星

セクトは、作用の質を示す尺度で、強さとか表面に出てくる力を示すものではありません。
昼生まれの人なら、太陽・木星・土星がのびのびと活動しやすい状態にあると言えます。

例えばこれらの惑星が、人目につきやすい1ハウスや10ハウスにあるなら、その惑星の良い面が表面化しやすい、ということ。

逆に、セクトから外れた惑星は、なんだか場違いな感じがしたり、本領を発揮できなくて問題行動を起こしやすくなりがち、という傾向があります。

水星は中性で、地平線を境に太陽より先に昇っているなら昼行性、太陽の後にあれば夜行性になります。

太陽 生命力、バイタリティ、卓越性、目立つこと、権限。人で言えば一般的な男性、父親、夫、上司
内なるものに集中。変化しやすく、姿・外観を極端に変える。感受性、受容性。養育、看護、介護、世話、保護。一般的な女性、母親、妻、庶民
水星 理解する思考力、商業と交換手段。知性と感情の相互作用の状況を表す。仲介者、メッセンジャー、時に詐欺師
金星 物事を結びつける、美、見目の良さ、友情、魅力。衣服、化粧品、宝石、女優、モデル、芸術家、エンターティナー
火星 怒り、敵意、積極性、自己主張、衝動、快活さ、勤勉さ。紛争、兵士、吹き出物、発熱などの熱病、鍛冶屋、溶接工
木星 拡大、成長、強化、霊的精神性。理想、哲学、法律、権威。弁護士、教授、天文学者
土星 障害物、縮小、恐怖、困難、嫌悪。時間に関係するもの。具体化し、最終的な形を与える、定義、制限、分割、識別。老年、年の功、古いテーマの研究、墓地、地下室、古い家、厳格な規則

②ディグニティー表から、惑星がディグニティーを得ているか調べる

「ディグニティー」とは、支配権に関わる用語です。
つまりディグニティー表とは、惑星の位置するサインの支配星(ルーラー)が何かとか、イグザルテーションと呼ばれる惑星が高揚する場所にあるかなど、惑星を査定するのに必要な一覧表になります。

このディグニティー表は、エジプシャンタームのものを使っている人が多いのですが、私は書籍『古典占星術』に書かれている、ヘレニズム期のテキストで使われていたタームを使っています。

大きく違う点はトリプリシティーの惑星。

ヘレニズム期は3つの惑星を全て使っていましたが、ルネサンス以降はあまり使われなくなり、昼か夜(表の1番目に書いたものが昼、2番目が夜、3番目は関与星)のどちらかだけが使われるようになったそうです。
私が3つ全てのトリプリシティーを使うのは、本来の形に則りたいから。

ルーラー イグザルテーション デトリメント フォール トリプリシティ
♈︎ 火星 太陽 金星 土星 太陽・木星・土星
♉︎ 金星 木星 金星・月・火星
♊︎ 水星 木星 土星・水星・木星
♋︎ 木星 土星 火星 金星・火星・月
♌︎ 太陽 土星 太陽・木星・土星
♍︎ 水星 水星 木星 金星 金星・月・火星
♎︎ 金星 土星 火星 太陽 土星・水星・木星
♏︎ 火星 金星 金星・火星・月
♐︎ 木星 水星 太陽・木星・土星
♑︎ 土星 火星 木星 金星・月・火星
♒︎ 土星 太陽 土星・水星・木星
♓︎ 木星 金星 水星 水星 金星・火星・月

山羊座に火星があるなら、イグザルテーションとトリプリシティで月がとってもイキイキしやすい星回りだということ。

ルーラー(支配星のこと)、イグザルテーション、トリプリシティーに該当するならいい意味合い。

ルーラーは自分の持ち場で生き生き働く感じ、
イグザルテーションは持ち上げられて注目を集める感じです。
トリプリシティーは、直接的ではないけど、まぁまぁ快適かな、という雰囲気。
火地風水のエレメントで入っている3惑星は共通していて、各エレメントの性質を表しているとも言われています。
ルーラーやイグザルテーション、トリプリシティーの惑星いずれも、サインの性質を形成しているとも解釈できます。

逆に、デトリメントとフォールは悪い意味です。

デトリメントとフォールは、力が弱いわけではないです。
ただ、場違いな感じがしたり、疎外感を持ったりして、ついつい頑張ってアピールしてしまうが故に極端な行動に走りやすい、ということ。

デトリメントは「障害」の意味を持ち、畑違いの場所で萎えてしまうこと、
フォールは「転落」を意味し、無視されたり、話を聞いてもらえないことを指します。

とはいえ、惑星の査定は総合的に行うものなので、このディグニティー表だけで喜んだり落ち込んだりしないように。

③惑星そのものの性質と、入室しているハウスの性質が相性の良いものか知る

ディグニティー表で、サインと惑星の相性を知りました。

一方で、古典占星術はサインよりもハウスを重視しています。
重視すべき順番は、惑星>ハウス>サイン。

ハウスには役割やシチュエーションが割り振られています。

1ハウス 私、自分自身。人柄、世間体、コミュニケーションスタイル、発揮される個性、外見。一般的な健康や肉体的な良好さ
2ハウス 所有物、財産。価値観というよりは、もっと具体的で物理的な形を成しているもの。自分に近しい人、自分を支えてくれる人
3ハウス 兄弟姉妹、親しい隣人、家族、近所の仲間。生い立ち。コミュニケーション、手紙、商業、小旅行、小学校
4ハウス 祖先、家族(主に父親)。住居、所有地、出身地、過去、人生の土台となる場所。人生の終わり、その人の死の状況。自分用で世間から隠された個人のもの
5ハウス 子供、子供を持つ可能性、レクリエーション、楽しみ、喜び、性的な悦楽、創造力、ギャンブルや賭け事、恋愛
6ハウス 健康上の課題、病気、厄介ごとのような、生き残るための仕事、苦労を伴う奉仕、医療関係、看護、小動物、作業や食用に育てる動物
7ハウス 対等者となる相手。パートナー、配偶者、ライバル、敵対者のいずれか。直接関わる知人、一対一の関係を持つ当事者。敵国。自分以外の人々、関係者
8ハウス 連絡がつかず、制御できず、時には意識から外れるハウス。死そのもの。パートナーの財産。他人のお金と関わる。不安、恐れ、パニック、行動できない受動性、オカルト
9ハウス 宗教、法律、高等教育、規模の大きな旅行、教育、出版、哲学。大学や大学院のレベルをカバーする、通常の継続的な教育。これらにどのようにアプローチするか
10ハウス 職業、名声、職歴、世間からどう見られているか。職場の上司、公権力。目標、理想、努力するもの、達成したいもの。父親に対する母親
11ハウス 天からのお金、権力者からのお金。希望や将来の夢、夢の実現。グループやコミュニティーでの友人。望んで参加するグループ(7ハウスほど直接的な関係ではない)
12ハウス 監禁、隔離、牢獄、留置所、病気。舞台裏。隠れた敵、自己破壊的な行動、自分自身が最大の敵であることに気づかないこと、自己否定、自己破壊の性質、禁欲的、自己犠牲

サインルーラーの他に、ハウスにもルーラーがあります。
加えてハウスには、ジョイという特定の場所で喜びを感じる惑星があります。

1ハウス ルーラー:土星 ジョイ:水星
2ハウス ルーラー:木星
3ハウス ルーラー:火星 ジョイ:月
4ハウス ルーラー:太陽
5ハウス ルーラー・ジョイとも金星
6ハウス ルーラー:水星 ジョイ:火星
7ハウス ルーラー:月
8ハウス ルーラー:土星
9ハウス ルーラー:木星 ジョイ:太陽
10ハウス ルーラー:火星
11ハウス ルーラー:太陽 ジョイ:木星
12ハウス ルーラー:金星 ジョイ:土星

ハウスルーラーやジョイが該当のハウスに入っていれば、相性は上々です。

それ以外の惑星でも、ハウスの意味との相似性があれば良しとします。
例えば4ハウスに土星が入っていた場合、厳格な父親と読めますが、苦労しつつも最終的には確固たる人生の土台を築くことができる、とも解釈できます。

④サインのルーラーが、惑星をどうサポートしてくれるのかを見る

古典占星術でいう、いわゆる「レシーブ」と言われるものです。

惑星が入っているサインのルーラーは、基本的に入室している惑星を「もてなす」形でサポートします。

例えば上のチャートで見ると、火星の入っている1ハウスは蟹座。
ルーラーは月です。

火星は蟹座でフォールですが、ルーラーである月は、魚座から火星をしっかりサポートしています
(この状態を古典占星術では「レシーブする」という言い方をします)。
サインルーラーは必ず、自分の支配するハウスにある惑星をサポート・応援することになっています。

ただサインルーラーの力が弱っていたら、大したサポートもできず、チーン…と沈んだ空気のまま浮かばれない状態になってしまいます。
もちろんルーラーだけでなく、入室している惑星そのものの力が強ければ、サポートが弱くても自立して力強く活動できます。
なので、7つの惑星1つ1つの査定が必要になってくるんですね。

一方の月も、ディグニティー表をチェックすると、トリプリシティーで火星をレシーブしているため、相互にレシーブし合っています。

そして今回、火星と月は、1ハウスと9ハウスでトラインを成し、アスペクトも成立しています。
つまりサインルーラーと惑星の間にアスペクトによる繋がりができたことで、より効果的に働くことになります
(これを古典占星術では「リセプション」と呼んで重要視します)。

フォールの火星が疎外感でダメージを受けてしまいそうなところを、力強いサインルーラーの月がトラインの位置からガッチリ支えてくれるので、頑張って本来の力を発揮してくれる、と解釈できるんですね〜。

①〜④の解釈をつなげてみよう

とはいえ、④で例に挙げたチャートをトータルで考えると、また様相は変わってきます。

午後3時生まれなので、明るい昼のチャートです。
ここで挙げた火星、月ともにセクトを外れた夜の惑星なのでバランスを崩しやすいため、問題の元凶になる可能性があります。

火星は1ハウスでアセンダントのすぐ真下にあって、人目につきやすい。
加えて、活動宮の蟹座の行動的な性質が、火星の衝動的で軽率な言動を助長してしまうかも知れません。

この例の場合はルーラーからの力強いサポートはあるものの、火星の悪い面が目立ちやすいホロスコープである、ということになります。

同じ日でも夜生まれになると、セクトを得るので解釈がガラッと変わります。
出生時刻が変わるとハウスも変わりますからね。
レクティファイ、大事です。

まとめ

今回は、古典占星術の惑星の査定ポイントを4つに絞ってお伝えしました。

それぞれの惑星が持つ力を知っておかないと、ひと言で「星を使う」と言っても難しいということがお分かりいただけたでしょうか。

人間は環境の動物。
環境や自分を取り巻く環境がどうなっているのかを客観的に知る材料として古典占星術を使い、改めて自分のホロスコープを新しい視点で見直してみては。