『古典占星術』チャールズ・オバート著 開封!

前回の更新から随分間が空いてしまいました。

この間、お盆は実家に帰省し、しばらく滞在。
実家から戻った後は、一冊の本を勉強していました。

その名もズバリ『古典占星術』。
新しい本、ワクワクしますね〜!

知りたかったのはハウスルーラー

現代占星術しか学んでこなかった私ですが、占星術関連の勉強をしている中で違和感を感じることが多々ありました。

4ハウスは母親のハウス、と固く信じ、蟹座がホームルーラーだと思っていましたが、中には「父親のハウスというのが正しい」「1ハウスのルーラーは土星」などと、これまで知らなかった情報を発信されている方がチラホラいらっしゃったからです。

その根拠を探っているうち、それは古典(伝統)占星術から来ているものだということを知りました。

先日書いたネイタルチャートの天体の強弱(→「【無料チャートで簡単表示】ネイタルチャートで一番影響力が強い天体を調べる方法」)も、この古典占星術が発祥。

俄然どんなものか知りたくなって、Amazonで検索。
古典占星術を題材にした本自体が少なく、口コミや星評価を吟味。
すごく迷いながらも、「初心者から学び直したい実践のプロまで一生使える」という帯の殺し文句に惹かれ、この本に決めました。

「古典占星術」本の概要

著者はアメリカの占星術研究家。
現代占星術と古典占星術の融合を目指している方。

訳者は河内邦利さんという、古典占星術師であり研究者作家。
翻訳者序文やページ下の注釈、巻末の用語集など、少しでも理解しやすいようきめ細かな配慮がされているな、という印象。
ま、それでも言葉自体がカタカナの似たような発音のものがどうしても多くて、意味がこんがらがってきちゃうんですけどね💦

内容は大きく2部に分かれ、古典占星術の世界観や構成要素の説明と、実際に評価する際の留意点と実際の解釈事例6つが載っています。

この解釈事例の多さ、とてもいいですね。
モダン占星術にはない概念(ルーラー、セクト、ディグニティーの査定、アンティシア、リセプション、ロットetc)をどう解釈に活かすのか、どこをどう見ればいいのかが具体的にわかります。

ハウス方式については、基本的にホール・サイン・ハウス方式を推していますが、著者は古典とモダンの融合を目指したいとお考えの方で、ホール・サインの他に自分の好きなハウスシステムでも読み直してみることを勧めています。
ハウスなどが変わっても、解釈そのものは大きくは変わらなかったり、むしろ解釈に深みが増したりして、占星術の奥深さや神秘に触れられる可能性があるとのこと(実際、事例でもそうしたものがありました)。

アスペクトについては、コンジャクション(厳密にいうと合はアスペクトではなく提携関係や連合に近いとしています)、セクスタイル、スクエア、トライン、オポジションという代表的なものに限って解釈します。

ロット(アセンダントや惑星の位置から割り出す感受点。チャートの課題をより詳しく提示してくれる)についても触れています。
ロットの持ち主が人生の中でその惑星やテーマに、どのように関わっていくかを示すもの。

ロットはアラビック・パーツとして有名ですが、ドラゴン・ヘッドやドラゴン・テイル、パート・オブ・フォーチュン(本書ではロッツ・オブ・フォーチュンと呼び、その重要性が強調されています)、ロット・オブ・スピリットのほか、水星・金星等各惑星ごとのロットや、父親・母親・友人、仕事、結婚を表すロットを計算する方法が記載されています。
ロットはハウス位置やルーラーの置かれた場所・状態が反映され、ロットと最もタイトなアスペクトを持つ天体と、ロットそのものに最も近いアスペクトを持つ惑星に注目して、解釈します。

解釈実例の前には、評価のルールやチャート解釈のアウトラインなどがまとめて書かれている親切設計です。
また、全てをポジティブに判断はしない、運勢の悪さや不調を認める姿勢を取りつつも、問題のあるポイントにどう対処するのか、有効な選択肢を探す方法にも「バックアップの仕組みのテクニック」として触れているところもいいですね(^^)

ちょっと難解だと思う点

解釈の多彩さが星よみする人の数だけありそうなモダン占星術。

それに比べ、細かなルールが定められ、一定のラインまでは誰が読んでも同じ内容・答えが得られる、という点に魅力を感じて学び始めた古典占星術。

ある程度の知識はあるつもりでしたが、聞いたこともない概念がたくさんありました。

一番大事なのだけど、今ひとつわかっていないな〜と感じるのが「ディグニティー(威厳、品位)」です。

強弱はだいたいわかるんですけど、マレフィックや弱っている惑星とアスペクトがある場合、どれだけ影響が出るのか💧

あと、セクトがわかりにくかったです。

はっきりわかる時間帯に生まれた方ならいいんです。
でも、私のように朝日の昇る前後に生まれてきた人の場合、空が明るい時間帯ならば、ハウスシステムをホールサインで見た場合は地平線下に太陽が描かれることになっても「昼生まれ」と認定されます。

単純に地平線上にある星は昼の天体、地平線下は夜の天体、と理解しているとミスリードします。
私の場合、昼生まれなのでハウスシステムでは1ハウスで地平線下に太陽があります。
この場合、太陽のある側の地平線下が「昼」になるんです。

あくまでも東西の地平線が基準。
まず、自分が昼か夜か、どちらの生まれであるかを空の明るさで判定し、
それができたら、昼生まれの場合は自分の入っている太陽が地平線上のどこにあるかで「昼の天体」「夜の天体」を把握します。

ライト ベネフィック(吉星) マレフィック(凶星)
昼行性 太陽 木星 土星
夜行性 金星 火星

もし夜生まれだった場合は、月のある側を夜行性、地平線の反対側を昼行性とみなします。
その位置関係を把握し、夜生まれだったら月のある側に金星・火星が、月と反対の地平線側に太陽・木星・土星があれば「セクトを得た」として、バランスが取れ、積極的に行動できる天体と判定することができます。

逆の場合は「セクトから外れた」天体となり、場違い、本領を発揮できない、アンバランス、緊張、怒りっぽい、問題を引き起こすような行動を取りやすい、といった残念な判断になります。

水星は、太陽より前に昇っていれば昼行性、後であれば夜行性になります。

事例では、心理学者として有名なカール・ユング(1875年7月26日午後7:32生まれ)がホールサインの7ハウス獅子座3度に太陽があり、まだ太陽の光が明るく差していたはずとして、昼行性と判断しています。

この本ではわからなかったこと

古典占星術初学者として、大体の知識をつけることはできる本ですが、読了後3つの疑問が残りました。

①一番知りたかったハウスルーラーの記載がない
②コンバストについての誤解

①の、ハウスルーラーについて触れられていなかったのはとても残念でした( ; ; )

12ハウスが12サインに対応する意味は持たない、ということは明確に否定しています。
つまり「1ハウス=牡羊座」と見立てて、1ハウスに牡羊座のルーラーである火星を充てる、ということはしない、ということです。

古典占星術ではサインよりハウスを重視するとしていますが、ハウスに割り当てられた星座(サイン)から支配星を割り出す、というやり方を採用。
乙女座なら水星、水瓶座なら土星という具合ですね。

私が一番知りたいと思っていた「古典占星術で設けられたハウスルーラーを、実戦ではどう読むのか」はわからずじまい。

サインとは別に、ハウスに割り当てられたルーラーが古典占星術にはあると言われています。

ミカミ・ポーラさん(@uran_ice)の2022/3/4のX投稿より

ジョイについてはちゃんと書かれていたのですが、ハウスルーラーについては全く説明がされていませんでした。
当然、実践例にもどのようにハウスルーラーを読むのか書いてあるはずもなく…。

でも実際、個人のネイタル鑑定ではどこまで使われるのでしょう?
このツイートを読む分には、各ハウスの性質を読むには最適ですが、個人のネイタルを読むには関係あるのかしら?

②コンバストについての誤解。
私は太陽に3度差でアセンダント、7度差で木星とのコンジャクションがあります。

コンバストの完全な条件として、本書には「太陽の8度以内にあること」とされています。
太陽が惑星の生命力を吸い取るので、惑星が自ら行動する力はほとんど残らない、とされる現象で、最悪の要素の1つとされます。

当然、私は木星が該当しちゃうなぁ、せっかくの吉星なのに、乙女座にあってデトリメント(異化作用。物事はバランスを崩し、神経質になり、安らかでなくなり、違和感を抱えるとされる)だし、むしろ太陽やアセンダントとのコンジャクションはマイナス要素にしかならないなぁ、と思ってました。

でも、後追いで古典占星術のハウルルーラーについてネットで調べていた際、「コンバストが該当するのは水星・金星・火星の3天体だけ」と言っているサイトがあって。
え、どれがホント?

太陽やアセンダントにコンジャクションしている天体なので、私にとってはぜひ正確に知りたい要素。

元々、ネット情報でも古典占星術について触れているサイト自体が少なかったりするので、これはまた別の本を購入して調べてみる必要がありそうです。

まとめ

結局、たった1冊の本で古典占星術を全て理解しようとするのは無理があるな、という結論に達しました。

地動説が出てくる以前は、正式な学問として君臨していた占星術ですから、やはり奥が深いんですよ。
文献も残っているものと口伝のものがあって、どれを採用するかも著者によって変わってきますし。

しかし、実際のチャート解読例を6つも載せてくれ、その解釈の理由も詳しく書いてくれている点は、高く評価できる一冊だと思いました。
1つ1つの天体の状態を丁寧に見ていき、どの星がチャート解読の中心になるのか焦点を絞っていく過程が理解できます。

古典占星術、と聞くと「ホラリー占星術」が連想されますけど、私はホラリーにはあまり興味がなくて、あくまでネイタルチャートを古典で読み解きたくてこの本を買いました。

先にも書きましたが、古典占星術の厳しさ(運の弱さをありのまま認める)を受け止めつつも、他の星でバックアップができないかを探る方法や、チャート上で状態の悪い星が、必ずしも不運の原因になるとは限らないですよ、課題の源泉が強さの源泉になることもありますよ、と勇気づけてくれたりもする優しさが特徴。

その意味でも、実際の解釈事例の参考になってくれる一冊です。